学問・資格

2016年6月24日 (金)

過炭酸ナトリウムについて(理論編)

掃除に使える薬品として重曹、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ソーダがどこも似たり寄ったりのバラエティー情報番組で取り上げられたりしていますね。簡単にまとめておきましょう。

まず、「ナトリウム」と「ソーダ」は同じものです。それなので、

炭酸ナトリウム=炭酸ソーダ
セスキ炭酸ソーダ=セスキ炭酸ナトリウム

のようになります。ナトリウムはドイツ語、ソーダは英語由来ですが、理学系ではナトリウム、工業系ではソーダを使っていることが多いように感じます。以下では基本的にナトリウムで統一しておきます。ソーダのほうが好きな方は読み換えてください。

重曹は重炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとも呼ばれます。重炭酸ソーダを略して重曹です。化学式は以下のとおりです。

NaHCO3

炭酸ナトリウムの化学式は、

Na2CO3

セスキ炭酸ナトリウムは、

NaHCO3・Na2CO3

このようにセスキ炭酸ナトリウムは炭酸水素ナトリウム(重曹)と炭酸ナトリウムがくっついたものです。

いずれも水に溶かすとアルカリ性を示し、アルカリの強さは

炭酸水素ナトリウム(重曹)<セスキ炭酸ナトリウム<炭酸ナトリウム

となります。いずれの水溶液も同じ種類のイオンが異なる割合で存在しているものなので、性質的には似た者同士になります。強い洗浄効果が欲しい場合はアルカリの強い炭酸ナトリウム、少しマイルドなほうが良ければセスキ炭酸ナトリウムか重曹、みたいな使い分けでいいかと思います。入浴剤として使用する場合、重曹に比べてセスキ炭酸ナトリウムや炭酸ナトリウムはアルカリが強くなり肌荒れしやすくなるため、量に注意すると良いでしょう。

それでは表題の「過炭酸ナトリウム」に話を移します。

名前が似ているので同じようなものと思われるかもしれません。同じようなものとも言えますが、全く違う面があります。過炭酸ナトリウムの化学式は、

2Na2CO3・3H2O2

化学式の前半のNa2CO3は先述の炭酸ナトリウムですが、後半のH2O2は過酸化水素です。過酸化水素は殺菌に用いられるオキシドールの成分で、酸素系漂白剤としても利用されています。

炭酸ナトリウムは洗浄作用があり、過酸化水素は漂白・殺菌作用があるので、過炭酸ナトリウムは漂白剤入りの洗剤と考えることができます。

先に挙げた炭酸水素ナトリウム(重曹)、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウムは洗剤としても、使用量に注意すれば入浴剤としても使えますが、間違っても過炭酸ナトリウムを入浴剤として使ってはいけません。

過炭酸ナトリウムがもうすぐ大量に入荷する予定ですが、使用効果を「実践編」で書けるかどうかは未定です。

Kind Regards,

ブリュレ

2016年4月11日 (月)

確率論

我が家には数学書と物理学書がたくさんあって、とても読み切れないので、一部はAmazonに出品して処分を図っています。

でも確率論くらいはちゃんと勉強しようか、ということで手元にあるのは以下のもの。

まずは伊藤清「確率論」(20面体さいころは本書とは無関係です。)

Ito

熊谷隆「確率論」

Kumagai

舟木直久「確率論」

Funaki

上の3冊をざっと見た印象は、[伊藤]が数学的にかっちりとしていて内容も深く、[熊谷]は基本はさらっと流して応用に重点を、[舟木]が基本を丁寧に説明する、という感じです。

中心極限定理が出てくるページ、確率過程が始まるページ、全ページ数はそれぞれ下記のとおりです。

[伊藤] 203, 226, 381

[熊谷] 46, 59, 207

[舟木] 136, 149, 261

普通の数学の人は[舟木]->[伊藤]がスムーズに理解しやすいように思います。[熊谷]は薄くて装丁もやさしそうで、実際サイコロの簡単な話から始まるのですが、初めの50ページ程度に確率論の基礎的な定義や定理が詰め込まれているので、意外に読みにくい気がします。

ということで、私は[舟木]を読んでから[伊藤]に進んで、最後に[熊谷]で応用のトピックをさらっていこうかと思っています。

これらが終わったら(って、いつ終わるんだか・・・)、洋書2冊へ進みます。

Ioannis Karatzas, Steven E. Shreve "Brownian Motion and Stochastic Calculus".

Karatzas_shreve

Nobuyuki Ikeda, Shinzo Watanabe "Stochastic Differential Equations and Diffusion Processes".

Ikeda_watanabe

それぞれ470ページ、555ページの量があります。

確率解析の応用(特にファイナンス方面)にはこの本がお薦めだよ、というのがあればコメントいただけるとありがたいです。数学的にあまりいい加減でない本が好きです。

ちなみに、[舟木]のp.2には下記の記述があります。

"確率論を学べば競馬や宝くじに当たる確率が高くなるなどという誤解もあるようだが、いうまでもなくそのようなことはあり得ない。"

私も決して、決して、宝くじに当たる確率が高まると思って確率論の本を読んでいるわけではありません。決して・・・でも、当たるといいなぁ。。。

Kind Regards,

ブリュレ

2016年3月13日 (日)

なんとなくシンポジウムに行ってみた

京都大学附置研究所・センター シンポジウム

「京都からの挑戦 地球社会の調和ある共存に向けて」

http://www.kuic2016.jp/

に行ってみました。

聴きに来ていた人の層は二極化、中高生と高齢者が中心で、ミドル層はとても少なかった気がします。中高生はいくつかの学校が招待されていたので、進路を考える材料としての教育的な意味合いが強いシンポジウムなのでしょう。高齢者はリタイアした教育関係者とかですかね?

講演の内容はオーロラ、砂漠、福島、iPS細胞、古文書、アマゾンと幅広く、各30分の短い時間で中高生にも配慮した説明のため、狭く浅くになっていた感はありますが、いくつか興味深いものがありました。

「砂漠・半乾燥地の気象学」では、乾燥地に植物を植えると、植物が土中の水分を吸い上げて逆に砂漠が増える可能性がシミュレーションで示されるなど、砂漠を減らすためには緑化すればいい、などと簡単には行かないことを知りました。

「アマゾンフィールドミュージアム」はアマゾンの熱帯雨林にフィールドミュージアムという、自然に近い環境で野生動物の保護、飼育、観察ができる施設を作る取り組みについての講演でした。そこでは保護した動物を完全な自然に帰す前の訓練の場にもなります。また、普通の動物園は世界中の珍しい動物を一か所に集めて楽しく見させる場という面が強いですが、フィールドミュージアムはその地域に生息する動物をできるだけ自然に観察できる場所になります。意外だったのは、アマゾンに住んでいる人たちはアマゾン川に住んでいるマナティーや魚を生きたまま観察する機会はほとんどないということでした。水が強く濁っているためです。地元の人にとっても近隣に生息する動物を自然に観察できることが重要とのことでした。

他の講演もそうですが、研究者がいろいろ苦労はありながらも充実した研究生活を送っている雰囲気が伝わってきたので、中高生は興味を持って聴けたのではないでしょうか。

私も楽しめたので、また機会があればこのような場所に足を伸ばしたいと思います。

Kind Regards,

ブリュレ

2016年2月 4日 (木)

この本も読まな・・・

寒川神社のおみくじで

相場 大丈夫 売れ

とのお告げでしたが、やみくもに相場を張るわけにもいかないので、この本を読むことにしました。

Murphy

John J. Murphy著「Technical Analysis of the Financial Markets」

数学、物理学、心理学と読む本がたくさんあるのに、こいつも500ページ超。読んでいるうちに年を越しそうだ・・・

Kind Regards,

ブリュレ

2015年11月 1日 (日)

心理学

数学と物理学の勉強スイッチが入ってしまったことを前記事で書きましたが、何故か心理学にも興味が出ています。勉強なんてやりたいと思ったときにやるのが一番なので、逆らわずに本を読むことにしました。

興味を持ったのはフロイトとユングですが、そんな特殊領域にいきなり入るのはどうかと思い、まずは心理学を概観するために読んだ本は「心理学 第5版(東京大学出版)」です。

Photo

ところどころ説明が分かりにくいところがあったりしますが、ランダウとリフシッツの物理学の本に比べればはるかに読みやすいです。へぇ~、なるほど、と思うこともいろいろ出てきて面白く読めました。

続いてはフロイトとユング。

フロイトは本人の著書「精神分析入門(新潮文庫)」、ユングは河合隼雄「ユング心理学入門(岩波現代文庫)」から始めることにしました。

Freud_jung

これらに続いて、フロイト「夢判断(新潮文庫)」、小此木啓吾「現代の精神分析 フロイトからフロイト以降へ(講談社学術文庫)」、小此木啓吾・河合隼雄「フロイトとユング(講談社学術文庫)」が待っています。

こちらも長~い旅になりそうだ。。。

Kind Regards,

ブリュレ

2015年10月21日 (水)

古典力学

最近、何だか勉強のやる気スイッチが入ったようで、学生時代に買った本+αを読み始めています。

大学を卒業してから20年以上、学問とは縁遠い人生を送ってきたので、ノスタルジックになっているのでしょうか。一から数学と物理を勉強したい気持ちに駆られています。

そこで、まずは古典力学からスタートすることにしました。

読む本はこちら。

Mechanics_1

とりあえずの目標は「ランダウ=リフシッツ物理学小教程」の「力学・場の理論」の第1部「力学」読了です。この部分のベースになっている、より本格的な「理論物理学教程」の「力学」も併読しようかと思っています。

山内恭彦「一般力学」も参考にするかも。

V. I. Arnold「Mathematical Methods of Classical Mechanics Second Edition」も使えそうです。

Mechanics_2

これらの書籍は今ネットで調べても名著として挙げられているようです。学生時代の本集め(本読みではない)は割とセンスが良かったのかな。

数学もすっかり忘れているので、こちらも定評の杉浦光夫「解析入門 I, II」、斎藤正彦「線形代数入門」も手元に置きながら読み進めましょう。

Math_1

力学が終わったら、電磁気学、相対性理論、量子力学などの名著が待っています。

長~い旅になりそうだ。。。

Kind Regards,

ブリュレ

2011年12月 4日 (日)

生ビールと餃子とラーメン

ドライブをしていて、久し振りに十数年前に住んでいた家の前を通りました。

周りは結構変わっていましたが、住んでいた家も、よく行っていた中華ファミリーレストラン「B」もまだ残っていました。そのレストラン「B」は思い出に残っています。理由は生ビールを注文すると2回に1回は忘れられたからです。

「B」で最も忘れられない出来事をお話する前に、数学のおさらいをしておきます。

ある集合からいくつかの要素を選んで並べるとき、その並びを順列(Permutation)といいます。n個の集合から重複のないr個を選んで並べる順列が何とおりあるかをnPrで表わします。実際に何とおりあるかというと、

Permutation_2

となります。n = r = 3、すなわち3個のものを並べる並べ方は3! = 3×2×1 = 6とおりあることになります。

実生活に当てはめて考えると、生ビールと餃子とラーメンの3商品を注文した場合に出てくる順番は下記の6とおりがあることを意味しています。

1. 生ビール -> 餃子 -> ラーメン
2. 生ビール -> ラーメン -> 餃子
3. 餃子 -> 生ビール -> ラーメン
4. ラーメン -> 生ビール -> 餃子
5. 餃子 -> ラーメン -> 生ビール
6. ラーメン -> 餃子 -> 生ビール

多くの方々にとっては1.の順番が理想で、ファミレスなどでは2.でも仕方ないと思われるでしょう。6.は理論的にはあり得ても、現実にはあり得ない順番と考えられると思います。

(注)お店では生ビールと餃子とラーメンが同時に出される可能性もありますが、これは数学的には「生ビール・餃子・ラーメンセット」という1商品の注文とみなされますので、ここでの議論の対象ではありません。

中華ファミレス「B」で一番印象に残っているのは、この6.の順番が実現したことです。

生ビールと餃子とラーメンを注文して待っていると、何と最初にラーメンが来ました。まあ、生ビールが次に来るだろうと思っていたら出てきたのは餃子。生ビールは忘れられていたのです。最初にラーメンや餃子に手を付けるわけにもいかないので、生ビールが来るまで待ちました。。。

日常生活ではあり得ないと思うことでも科学的観点からは説明が付く場合がある、ということを実感した一件でした。

Kind Regards,

ブリュレ

2011年11月 2日 (水)

炭酸風呂を作る~基礎理論

炭酸風呂の試作のため、クエン酸と重曹(炭酸水素ナトリウム)を購入しました。写真上部は重量計測機器です。

Materials

クエン酸は「食品添加物」、重曹は「食用グレード」という記載のあるものです。なので、安心して味見をしてみると、クエン酸は想像どおり、レモンみたいな酸っぱさがあります。重曹はアルカリ性なので、高校時代に舐めた水酸化ナトリウム溶液みたいに苦いのかな?と思っていたら、意外に苦くはなく、しょっぱさと酸っぱさを感じました。まあ、食べることが目的ではないので、どうでもいいです。

さて、クエン酸と重曹でどうやって炭酸を作るか、レシピを載せておきます。

Photo_2

クエン酸1モルに対し、重曹3モルですので、割合としては

192.12 : 3 × 84.01 ≒ 1 : 1.3

ということで、クエン酸1に対し、重曹1.3くらいの重量割合で混ぜるとちょうどよく炭酸が作られることになります。

本当にシュワシュワするのか?試しにRiedelのワイングラスに250mlほどの水を入れ、重曹約15gを溶かしておきました。そこに約12gのクエン酸を加えるとこのとおり、激しく泡が出ます。

Carbonate

動画はこちら。

http://www.youtube.com/watch?v=5lkt7TrCrAw

お風呂でこんなに泡が出たら凄いだろうなぁ~、体は温まりまくりだろうなぁ~、と思いつつ、まだ失われていない理性でお風呂(200リットル)で必要な分量を計算したところ、クエン酸も重曹もそれぞれ10Kgくらいは必要なので、無理です。それに、こんなに二酸化炭素がお風呂で発生したら中毒死も覚悟しないといけないかもしれません。止めましょう。

で、最初は控えめに重曹57gを溶かしたお風呂に43gのクエン酸を入れました。市販の入浴剤も一回40~70gくらいなので、まあ悪くないでしょう。結果は・・・

見た目ほとんど変化なし、です。

よーく見たら細かい気泡がお湯全体に出ているので、炭酸は発生していると思われます。入ってみても炭酸入浴剤と同程度には肌に細かい気泡がうっすらと付きました。

重曹を入れてからクエン酸、クエン酸を入れてから重曹、同時投入、その他いろいろと実験してみる価値はありそうです。

余談ですが、たまたま軽く焦げ付いたフライパンがあったので、重曹水を張って火にかけてしばらくしたら焦げ付きが簡単にとれました。

重曹、結構役に立ちそうなので、我が家の常備薬と認定し、専用の入れ物を用意して格納しました。ラベルの字を書き間違えましたが、大阪の人なら読めますよね?

Juso

実践編はこちら。

http://ermite.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-9a2b.html

Kind Regards,

ブリュレ